多楠の日記@はてな

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劇場版「ガンダムOO」見に行ってきた。

公開7日目のレイトショーで、観客は20人くらい。…少なくね?

上映前に「GANTZ」と「キムタク演じる、型破りでカッコいい主人公が頭でっかちな組織の中で活躍し、徐々に賛同する仲間を増やし最初は嫌いあっていた女性と恋に落ちたりして、カッコ良くエンディング。な映画」の予告編が流れてたけど、爆死臭しかしないのは何故だろう何故だろうったら。


で、OO。TVの方は一応観たけど、全話視聴してたわけじゃなくて数話飛んでる。
小説版を読んで話の流れと結末は把握してるという状況。

映画単体としてみた時に、説明不足の部分と説明過多な部分があってちぐはぐな印象。
「いやそんなトコ語る必要ないでしょ」と「いやいきなり出てこられてもアンタ誰よ」が入り乱れててどうにも中途半端。
ガンダムの映画」てことを考えるとTV観ずに映画館に来る人も居るのかなーと思うとちと不親切に感じた。

以下、ネタバレを含むので格納で。
つか今回って段階的に上映拡大するのね。10月末から公開って遅いわー。

ガンダムって作品に期待されてるのは「メカ(戦闘)」「キャラ(対話)」「ストーリー(ある種のカタルシス)」だと思うのね。
その3点で言うと、「メカ(戦闘)」はギリギリ評価できるかなーってとこだった。
クアンタかっこいーけど終盤ちょっとだけの活躍で若干食い足りない感はあった。
あとELSとかゆー金属体が相手の状況が続くんでMS戦が少ない(終盤になると学習したELSがMSに擬態する)。
気になる人にはつらいかも。

キャラはそれぞれに見せ場あったと思う。見せ場はあったし対話も「らしい」。
でも「かつてロシアの荒熊と呼ばれた男が…」とかそのセリフ要らないだろ。そのくせ小熊の説明ははしょってるし。TVの知識前提だなこのへん。

で、ガンダムガンダムであるだけでブランドとして成立してくれる(スポンサーが付く)から、中身に関してある程度は監督の裁量というか「やりたかったことをガンダム使ってやりました(ドヤ顔)」が可能という側面があり。
本作の場合、テーマとしては「他者との相互理解から生まれる平和」だと思うんだけど。
作中で言ってる事って究極のところ「人であること」を捨てないと相互理解はできませんよ、てことなのかなぁと。
せっちゃんは「人ならざるもの」になってようやく、金属体と分かりあえたってことだよねアレ。

ニュータイプが「すべての人類に内在する可能性」だったのに対して、イノベーターは「なれる人」「なれない人」があまりにはっきりしすぎてる感があって。
そんなイノベーターのせっちゃんでも更に「進化」しないと異星の意思体とは分かりあえないってことで、要は「イノベーターにもなれない普通の人間に相互理解なんて不可能だよね」ってのをこれまで延々と見せられてたってことなのかなぁと。

だからストーリーとしてはいまいち希望が見出せないというか、エンディングのあの時系列で「イノベーターでない人」がどう暮らしているのかとか考えていくと若干もにょるところがあった。

そんなわけで爽快感には欠けるけど、まぁガンダム映画に爽快感求めてもなぁ(苦笑)。