多楠の日記@はてな

はてなダイアリーから引越し。主に雑記はこちらで。

天龍プロジェクト「〜天龍源一郎 引退〜革命終焉 Revolution FINAL」in両国国技館

2015年11月15日、両国国技館
プロレスラー・天龍源一郎の引退興行を見届けに行った。


もともと自分は「全日っ子」だった。
原体験は昭和50年代後半、時期的には鶴龍タッグが超獣コンビやジャパンプロレスとやりあってたころ。
新日は当時あまり見てなかった(タイガーマスクのブームは記憶にある)。
やっぱり「天龍同盟」には感慨があるわけですよ。


試合開始は15時からだけど、13時半くらいに会場入り。
入口の両側にはグッズ売り場。この日参戦の各団体からの出張売店があって、菊タローとかが手売りしてた。


正面にはトロフィーや、天龍が入場時に着用したジャンパー・ガウンなどがずらりと。思わず写真を撮る。
外周には角界やプロレス界からのフラワースタンドが並んでいた。


今日は1階の4人掛けマス席。
マスの中でも前方を取るため、早めに入場したのだった。
しかしやっぱり野郎の4人掛けはキツイっすよ…。


場内のBGMが懐かしい。
「移民の歌」「アイアンマン」「ローリング・ドリーマー」「阿修羅」「Shoot It」…天龍源一郎の隣に、あるいは対角に立ったレスラーたちのテーマ曲。
特に今日のリングに来れられなかった、既に現世のリングからも退場しているレスラーのテーマは、やっぱりうるっと来る。
NTVスポーツのテーマ(ちなみに輪島の入場テーマです)が流れると、場内一斉に手拍子。そら(今日の会場なら)そうなる(全日ファンで沸く)わなぁ。
目を閉じれば「全日本プロレス中継」のテロップが浮かんでくるような。
場内全体が「馬場全日本プロレスの同窓会兼卒業式」の空気だった。


試合結果は公式( http://tenryuproject2010.com/result/1422/ )参照。
里村の当たりやっぱスゲーなぁとか、
カシンおもろいなーとか、
北原相変わらず間の取り方が下手やなーとか、
相島さん貫禄やなーとか、
みのる高山ここでもやりあうのか巧いわーとか。


で、問題のセミ
とりあえずありがとう岡林関本。君らがいなかったら試合が成立してない。
そう考えると真霜火野から変更して正解だったかもしれん。
藤田は思考や行動のパターンがどうしても猪木寄りなので、往年の全日色が強い今日の興行では何言ってもブーイングだろなぁと。
最後には「ダイニッポン」コールに替わったのは、ストロングBJへの最大の評価だと思う。
まったく本来なら諏訪魔は今日のメインで天龍の介錯を務める位置にいなきゃならんレスラーなんですよぷんすか。


で、そのメインイベント。
現役トップ、IWGPチャンピオンとの一騎打ちで最後を飾るあたり、非常に「らしい」というか。


2013年暮れの復帰以降、リングに上がるタラップを「自分の脚だけで昇れてない」んですよ。必ず手をついてんの。
片脚で全身を支えるのが、かなり苦しい状態なんだろな。
それでも、日本デビュー戦で着用したガウンの下は、俺たちが見続けてきた黒のショートタイツ姿。
この辺は最後の意地だなと。やっぱかっこいいですわ。


出る技は、ほぼグーパンチとチョップだけ。
それでもブレーンバスター(新技名「65歳9ヶ月」)にDDT、WARスペシャルを出した。
倒れこむようにラリアットも決めた。顔面を蹴り上げ、膝立ちのオカダへは延髄斬り。
更にはコーナーマットを背にして、身体を支えながらの「投げ捨てパワーボム」まで。
どんなに不恰好でも、最後まで「天龍源一郎」だった。


17分過ぎ、レインメーカーが決まって3カウント。
天龍に駆け寄ったセコンドを追い払い、マットに横たわる革命龍に、黙して一礼するオカダ。
セミとの対比もあり、「語らない」ことで立派に表現できるレスラーになったんやなぁと感慨深いものが。


天龍の試合後の第一声「負けたーっ!」だったので安心した。
ハンセンさん、テリーからの花束贈呈に続いて、紋奈代表の挨拶。
今回のチケット、天龍プロジェクトから直販で買ったんだけど、同封の手紙1件1件に、代表が直筆でメッセージ入れてるのよ。
おいおいこれ全部で何件あるんや…と驚いた。到着まで時間かかった訳だわ。


そして腹いっぱいの格闘技人生を終える、引退の10カウント。
最後のコールに続いて、黄色の紙テープが投げ込まれて。
革命終焉、見届けさせてもらいました。


たぶんあの黄色い渦の中には馬場さんも鶴田さんも三沢さんも冬木さんも、そして何より阿修羅・原さんも居たんだろなぁ。
こうして「プロレスラー・天龍源一郎」は無事「元プロレスラーの天龍さん」になった。